四字熟語では、「合従連衡」と書きますが、元々は「合従」と「連衡」の2つの言葉が合わさって出来た言葉であり、司馬遷の記した「史記」に登場する言葉です。
舞台は中国の戦国時代後半、100ほどあった国の多くは滅亡し、7国(秦・韓・魏・趙・楚・燕・斉)になっていました。
中でも西に位置する秦は急速に力をつけ、東の6国の脅威となっていました。
そこで、蘇秦という人物が登場します。蘇秦は6国を渡り歩き、秦の脅威に対抗するために同盟を結ぶことを提案します。
この同盟は秦より東の国が縦に合わさった同盟であることから、「合従」と言われています。
その後、秦に張儀という人物が現れます。
張儀は、蘇秦亡き後、6国と個別に同盟関係を結び、合従の切り崩しを図ります。
この同盟は秦が東に向かって同盟を結んでいくことから、「連衡」と言われています。
秦はこの連衡によって、敵対する勢力を滅ぼし、同盟国には臣下の礼を取らせることで、最終的に全土統一に成功するのです。
「合従」と「連衡」は、同じ同盟という手法を使っていますが、「合従」は平等な同盟であったのに対し、「連衡」は屈服に近い同盟という違いがある点に注目してください。
システム開発業界では、多重請負が常識的に行われています。
法律的に問題があるケースも多いので、よく話題になっているのですが、本当に問題なのはそこではないのです。
先の「合従連衡」を例に考えると分かるとおり、多重請負とは「連衡」であり、強者がその力でもって、弱者に臣下の礼を取らせることなのです。
請負の上位に位置する会社は、仕事を回せばどんどん儲かります。
一方で、そのしわ寄せは当然の事ながら、下位の会社に行くことは容易に想像できます。
「連衡」は強者の戦略であるため、弱者が選択すると、秦に滅ぼされた6国のような運命を辿ることが考えられます。
実際、下位の会社は大変です。赤字であっても、やらないよりマシということで、涙を呑んで受注しているケースもあります。
残業が多く、主要メンバーは負担が増えるため、職場を去っていき、得るものは少なく、失うものが多くなります。
そこで、弱者連合である「合従」という戦略を取ることが考えられます。
システム開発の世界でも、「アライアンス」という言葉があり、考え方は「合従」に似ています。
会社だけでなく、実力のある個人までを含んだ同盟を結成し、利益は事前に決めた分担比率に基づいて分配されるという仕組みです。
メリットとしては、
逆にデメリットとして、
だとすると、アライアンスを成功させるためには、強固な信頼作りと他のメンバーに迷惑を掛けない仕組みが重要だと考えられます。
例えば、
多重請負が主流の業界構造は、いろいろ言われてもなかなか変わらないでしょう。
誰かが変えてくれるのを待つのではなく、戦略を持って変えていく気持ちが大事なのではないでしょうか。