システム開発業界の問題点
今回は、システム開発業界の問題点を、お話させていただきます。
これから、システム開発会社を選定されるときの参考になればと思います。
業界構造
日本の開発会社は、大手のシステムインテグレーション会社が受託し、中小企業へ再委託する形式をとっている場合が一般的です。建築業界の請負ピラミッドに似ていることから、「ITゼネコン」などと言われることもあります。
一次請けの会社は、月単価が200万を越えることも珍しくなく、二次請けにより安い額で再委託することにより利益を得ています。
二次請け以降も、部分的に委託の連鎖を取りますので、実際の開発現場は、三次、四次請けということが珍しくありません。
私自身、依頼された仕事が六次請けだったことがあります。もちろん断りましたが。
聞いたところによると、末端の開発現場では、月単価30万円台のところもあるらしく、必要以上に仲介が入ることで開発現場に十分な資金が回らなくなるため、技術力が低下していく悪循環となります。
違法な雇用
多重派遣や、偽装請負を堂々と行っている会社も少なくありません。先述したように、システムを作らなくても、技術者を仲介するだけで売上が上がりますので、実質は仲介専門となっている業者も存在しています。
違法と知りながらも、摘発されることはほとんど無いので、違法行為は無くなりません。
発注者側にとっても、違法行為の片棒を担がされることになりますので、注意が必要です。
不十分な教育
多重請負で末端に位置する会社では、とにかく人を動かなさいと売上が上がりませんので、新人でもいきなり現場に放り込んでしまうことがあります。現場の面接では、技術力よりも経験が重視されることが多いため、新人教育などやらず、直接現場に放り込んでしまい、現場で育ててもらえば教育費用も掛からず、経験も積ませることができる(あくまでスキルシート上でですが)といった考えが出てきます。
もちろん放り込まれた新人は、基本を知らないため、ほとんど戦力にはなりませんが、多重請負によって責任があいまいとなっているため、問題になることはほとんどありません。
このような技術者を多く抱える会社に、複雑性の高いシステム開発を委託してしまった場合、不具合だらけで使えないシステムが出来上がります。
このような業界構造を理解すると、委託する会社を選定する際の参考になるのではないかと思います。
例えば、今まで下請けを主としてやっていた会社に、直接委託したとします。
発注者側としても、仲介料として消えていく額を抑えることができるし、受注者側としても、本来貰うべき額を請求できるため、両者揃って得になるのです。
業者を選定する際には、新人教育をどのように考えているのか聞いてみます。
「現場主義」とか、「早めに経験を積ませたい」といった言葉が出てきたら、要注意です。
きちんと教育しているという場合は、どのようなプログラムをやっているのか、明確な回答が得られなければ(自分自身も経験しているはずなので)、これも要注意です。
契約する際には、再委託禁止について明記します。
特殊な技術を使っている場合には、再委託が必要になることもありますが、その場合にも一次委託までといった制限を掛けたほうがよろしいでしょう。