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■第30回 後ろ向きな広告
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アメリカマーケティング協会(AMA)の定義によれば、広告の定義とは、
「メッセージの中で識別可能な営利企業や営利組織または個人が、特定のオ
ーディエンスに対して、製品、サービス、団体またはアイデアについて、
伝達または説得をするために、さまざまな媒体を通して行う、有料の非個
人的コミュニケーション」
となっています。
通常、販売したい商品やサービスの良さを、購買対象層に訴える訳ですが、
逆に後ろ向きな広告をうつことによって、大きなインパクトを与えることも
あります。
インパクトは後ろ向きなほど大きいのですが、受け取り方によってはリスク
もあるので、よく考える必要があるでしょう。
今回は、そんな「後ろ向き広告」をいくつか紹介したいと思います。
●「史上最低の遊園地。TOSHIMAEN」
1990年のエイプリールフールに新聞に掲載された一面広告です。
エイプリールフールなので、もちろんジョークなのですが、さすがに自社を
史上最低とはなかなか言えませんよね。
この宣伝効果は高かったようで、かなりの反響があったようです。
昔の広告ではありますが、インターネットで検索すると詳細な内容が見つか
りますので、興味のある方は探してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、としまえんの広告はこれ以外にも面白いものが多く、去年夏のキ
ャッチフレーズは「冷し温水。」でした。
「暑いから温水になっちゃうよなあ」と納得しそうになりますが、写真に写
っているのは、プールで気持ちよさそうにくつろいでいる温水洋一さんでし
た。「ひやしぬくみず」と読むのが正解なんですね。
他には、セミがミーンミーンと暑苦しく鳴くだけのCMを流したこともあり
ます。不愉快さを逆手にとった手法ですね。
●「3.4%の課題」
発毛専門を売りにしている会社のCMです。
「残念ながら3.4%のお客様に発毛を実感してもらえませんでした」という
自社の課題をあえて宣伝しています。
逆に言えば、96.6%は発毛を実感しているということになりますので、技術
の信頼性の高さを逆の数字で宣伝しているとも言えます。
「当社には問題があります」を最初に表現することにより、視聴者が注目し
てくれることを狙っています。
補足しておきますと、3.4%とは返金対象者の割合だそうで、誤解を招きや
すい表現でもありますし、数値の信憑性も怪しいのですが、広告の斬新さを
理解していただければと思います。
●「電気を大切にね!」
電力会社のCMは、不思議なことに節電を薦めてきます。
どんどん売ればいいのにと思う方も多いのではないでしょうか。
そのカラクリは、利益の最適化にあります。
電力消費量がピークを迎える夏場は、電力会社にとっては悩ましい時期でも
あります。
電力会社は複数の発電所を抱えておりますが、建設時期や発電方法によって
コストが変わってきます。
通常はその中で発電効率の高い発電所を中心に稼動しているのですが、電力
が不足すると、効率の悪い発電所を稼動することになったり、他社から高い
電力を買わなければならなくなるのです。
それでも不足した場合、工場などの消費量の大きな顧客への供給をストップ
することになり、社会的な影響も大きくなります。
もう、踏んだり蹴ったりですね。
こういった事態を避けるため、発電予測を立て、その予測範囲内になるよう
に需要をコントロールしているのです。
生産調整みたいなものですね。
逆に夜間など需要が少ない時間帯には、もっと買ってほしいため、夜間割引
を薦めたりもしています。
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